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2001年度(61期生)山行

Bチーム夏合宿(白鳳三山縦走)に参加して

 大S 義治

 夏山合宿を無事終了することができたことにつきまして、まずS松さんをはじめとするリーダー団のご指導に深く感謝します。
夏山合宿が白鳳三山と発表されてからというもの、私にとっては、広河原から北岳山頂まで標高差1600mの行程を乗り切れるか、というのが大きな不安だった。結果として何とか乗り切れたことは私にとって大きな収穫である。
しかし、後の下りでギブアップしてしまったことが悔やまれる。冬山に向けていっそうの体力強化を課題としてゆきたい。
幕営についてもたくさんの指摘を受けた。疲労していても安全な技を確実に実行できるよう体に覚え込ませたい。
 この間にチーム共同作業として、装備の確認準備、食料の買出し、山行計画書の作成等があった。私は今回、食料計画を担当したが、2泊3日の行程ともなると食料の占める重量やかさが相当に大きいということ、とくに行動食は最初これほどの量が必要なのかと疑ったが、これも決して多すぎるものでないことを知った。

【第1日目】
   
 いきなり「
朝食持ってきてないの! 各自準備するようにといったでしょ」と怒られてしまった。睡眠不足で何となくだらけていた気分が引き締まる一瞬だった。

 8:15 広河原アルペンプラザ前を出発。先頭のN岡リーダーがゆっくりしたペースで歩いてくれるのがありがたい。「晴れとったらバットレスが見えるんやけどな」2500m辺りの小休止で千Gリーダーが上を指差した。この先から梯子が出てきて負担が格段に強まる。上の段に足をかけても、すぐには膝が伸びない。次々に梯子が出てきていつまで続くのかと考えるとイヤになる。「一段を登ることだけ考えろ! 続けていれば必ず終わる!」自分に言い聞かせる。

 14:30 北岳山頂、完全にガスに包まれメンバー以外何も見えなかった。  霧雨の中、北岳山荘に着いた。手早くテントを設営する必要があるのに、ザックからフライを引き出すのに手間取っていると、「大Sさん早く手伝って!」と声が飛んできた。体の動きがついて行ってない。体をテントに入れてようやく一息つく。湯を沸かすように指示され、カートリッジを付けようとしてテント内にガスを漏らしてしまった。ヘッドのコックが完全に閉まっているか確認すること、カートリッジを真上に向けてセットすること、ヘッドのセットはテント外で行うこと。これまでのトレーニングで繰り返し教えられたことなのに忘れてしまっていた。温かく甘い紅茶がうまい。生き返るようだ。「疲れているから糖分と熱いお茶がいいんよ」とK松リーダー。
  


【第2日目】
  
 
4:30発。間ノ岳を過ぎ3000mあたりの肩に来た時、突然東の空から陽が射し込んだ。眼下のコルに農鳥小屋の赤い屋根が鮮やかに見え、その西の小さな尾根を隔てて緑の美しいU字谷が彫れ落ちている。谷の下から上へとガスの活発なうごきも手にとるように見渡せる。小屋の向こうから立ち上がる山は西農鳥岳であろうか。
 9:50 農鳥岳の山頂に立った。大門沢への下りは、段差の大きい岩場の連続である。次第に私のペースが落ちてきた。大腿筋が極端に疲労して膝が効かなくなり、段差の大きいところで立ち往生するような状態が頻発し始め、ついにギブアップしてしまった。荷物を助けてもらってなんとか大門沢小屋に辿りついた。 以上