明星山 P6南壁(フリースピリッツ)

山行期間 2008年 5月29〜31日
メンバー L岡本 寺井
山行地域 明星山 P6南壁 (富山県)
ルート フリースピリッツ
山行スタイル 岩登り
明星山P6南壁
  明星山P6南壁

<山行報告>

18時、堺東駅に集合。 二週連続というより中3日でのみょうじ。
先週、左岩稜は登れたものの、フリスピは雨で登れず超不完全燃焼のまま帰阪した。
翌日、岡本さんに「来週リベンジしませんか?このまま引き下がれません!」 と言うと
「行きましょう!」  との返事。   そうこなくっちゃ♪

30日4:45に駐車場を出発。 先週、フリスピの取り付きも確認していたので迷うことなく取り付きに到着。 ザックはトップ用を軽くしておき、交換しながら登ることに。
左岩稜のときもこの方法をとったけど、結局一度も交換せず僕がトップでもフォローでも 重いほうのザックを背負って登った…。
   「ああ、これが泉州流後輩の鍛え方なんやなぁ」 
と一人で納得しながら登ったので、「まさか今回も!?」と思ったけど、 さすがにフリスピは交換してくれた。
チロリアン
  チロリアン

5:30 寺井リードで登攀開始。以後、つるべで登る。

1ピッチ目V:
草付きを左上する。簡単だけど中間支点なし。 取り付きから
取り付きから
(以後グレード、ルート図はチャレンジ!アルパインクライミングによる)
2ピッチ目W-: さらに左上。中間支点少ない。
3ピッチ目X+: 少し右寄りに登っていく。 グレードが高くなると残置支点が増え、ルートも分かりやすくなる。
4ピッチ目W+: クライムダウンを交えながら右上。


5ピッチ目X-:
ハング下をトラバース。うめぼし岩手前でハンギングビレイ。 ハングを直上していくボルトラダーがあった。(柴田ルートというらしい)
6ピッチ目X+: 少し登ってから右へクライムダウン気味にトラバース。残置お助けスリングに興冷め。
7ピッチ目X+: カンテを右に越えていく。
8ピッチ目W+: 岩がもろくなってくる。簡単だが岩をチェックしながら登るので神経を使う。 ビレイ点の右下にラッペルステーションを発見!マニフェストのラインか…。
9ピッチ目X: 最初のピンまでが遠く、バランスも微妙で注意。 先行パーティーがいるとすぐ上の中央バンドからの落石に要注意。 この辺りで奇数ピッチのほうが難しいことに気付く。


10ピッチ目U:
ガレガレの中央バンドから二段上がる感じで、への字ハング下へ向かうとビレイ点あり。 8:40に10ピッチ目が終了し、小休憩後9:00登攀再開。 11ピッチ目
11ピッチ目
11ピッチ目V: への字ハング横の黒い(グレー?)垂壁を目指して右上。 「ほんまにV級?」中間支点は皆無で、カムを入れながら登る。体感W+。 岡本さんが、一段下に簡単そうなバンドとリングボルトを見たそうで、そっちだったか!?
12ピッチ目X-: 左寄りに登り、右へ戻っていく感じで登る。 パノラマトラバースの入り口に新しい終了点ができているので、 最初にでてくるビレイ点(ルート図にあるビレイ点)で切らずにもう少し登ったほうがよい。 このとき、僕はまだこの情報を知らなかった…。 中央バンドから上
中央バンドから上
13ピッチ目W: ルート図には少し登ってからパノラマトラバースとある。 上では鷹ノ巣ハングが僕らを威圧している。
  上へ登ると左へトラバースできそうにないが、中間支点は豊富にあるので上へ突っ込む。 中間支点はハンガーボルトになり、あきらかにW級ではないデシマルの世界になる。
「絶対にこっちではないと思います。」と言うと、
岡本さんはあっさりと
「残置してもいいんで戻ってきてください。」と言う。
パノラマトラバース
パノラマトラバース
  なんとか残置せずにクライムダウン(本日の核心)して戻ると、岡本さんが 「今思い出したんですけど、私達ルート図のビレイ点よりも一段上のビレイ点にいるんでした。」
ってことは、そのすぐ左に見えるバンドの入り口っぽいのがパノラマバンド?
行ってみると間違いなくパノラマバンドでした。
  「ほんまに今思い出したんか!?」との言葉を飲み込んで、
「ああ、これが泉州流後輩の鍛え方なんやなぁ」とつぶやく俺。
14P目
14P目
14ピッチ目X+: 中間支点豊富で岩も硬くて快適。このピッチはなぜかホイッスルの音も聞こえない。
15ピッチ目
V〜W:
上へ行かずに左へ行き、テラスに出る。


やっとフリースピリッツを登った。達成感というより、安堵感のようなもので心が満たされた。
岡本さんはまだ実感がわかないらしい。

12:30出発。ここから先は先週も通っている。13:50駐車場到着。 高浪の池を見て、道の駅小谷内の温泉(500円)に入ってから高速にのり、SAで寝て翌日に帰阪しました。

去年から目標にし、計画していたフリースピリッツ。 目標を設定し、トレーニング計画を立て実行する。 その山域が初めてなら、まずは入門ルートを登り、概念・アプローチ・下降路を確認する。 ネットや資料でルートを研究し、装備を検討する。 など、ロングルートを登るにあたって当たり前のことを、 経験の浅い僕はフリースピリッツを登ることによって先輩に教えていただき、また学んだように思います。

でもやっぱり、「絶対に登りたい!!という強い気持ち」が一番大事っすね!!

<行動記録>

5/30
(晴)
展望台駐車場出発(4:45) ⇒ 登攀開始(5:30) ⇒
 ⇒ 10ピッチ目終了(8:40) 登攀再開(9:00) ⇒ 登攀終了(11:10) ⇒
 ⇒ 下降バンドのテラス着(11:45) 発(12:30) ⇒ 展望台駐車場到着 行動終了(13:50)

<まとめ>

・やっぱりルートファインディングが重要。
 事前に対岸からルートを確認しておきたい。
・X級くらいでないと中間支点はほとんどない。
 (と思っておいたほうがよい)
・カムは小さめのものをよく使った。
 キャメロット赤までとエイリアン。
 特にエイリアンはよく使った。
・ブッシュでランニングを取るために
 長スリングをよく使った。

明星山P6南壁
明星山P6南壁
文/写真:寺井      .